※この記事は2018年3月29日に執筆したものです。
会社経営に関する法的な疑問や質問について、当事務所の代表弁護士 高島秀行がわかりやすくお答えします。
今回は「3社以上の契約を結ぶ際に注意してほしいこと」について解説します。
【質問内容】
当社は、A社に内装工事を依頼したところ、A社はX社から仕入れた商品を当社に納入してきました。当社は当然、内装工事の依頼を了承して商品を納入したのかと思っていました。
ところが、A社は、そのような契約は知らないから内装工事はしないと主張し、X社は、商品の代金は当社に支払えと言ってきています。どうしたらよいのでしょうか。
【回答】
事業を行う上で、当事者が2社の場合でももちろんそうなのですが、3社以上の当事者がかかわる場合には、誰がどういう役割をするかきちんと契約書を交わしておく必要があります。
誰でも物事を始めるときは、前向きで当事者間でうまく行っているように見えるものです。
しかし、複数の当事者が考えていることは、実は、それぞれ違うことかもしれないのです。
ただ、書面にしないことから、お互いうまく行っていると思っているだけだと言うことはよくあることなのです。
今回の事例のように、質問者は、A社に工事を依頼し、X社の商品はその内装工事代金に含まれていると思っていたけれど、実はそうではなく、商品はX社から直接購入するという話で、それを使ってA社が内装工事するという話だったのかもしれないのです。
また、質問者は、A社との間で契約が成立していたと思っていたけれど、A社では、まだ契約は成立まではしていないので、依頼者が思っている代金等の条件では引き受けられないと思っていたかもしれません。
要するに、複数の当事者がかかわる契約で、きちんと契約書を交わしていなければ、契約が成立しているかどうかもわかりませんし、どの点について誰がどういう責任で行うかも明確にはならないのです。
そうなると、今回のように当事者がそれぞれ自分に都合のいいように解釈して主張することになり、大きなトラブルとなってしまうのです。
このケースでは、質問者は、A社と内装工事請負契約を締結し、商品代はA社との契約に含まれているので、A社にしか支払わないとするほかないと考えます。
しかし、契約書がない以上、貴社がA社に内装工事を発注するに至った経緯、貴社にX社が商品を納入した経緯など事実関係を細かく調査した上で、貴社がA社と内装工事請負契約を締結したことを証明して行かなければなりません。
これらは、訴訟になることもあるでしょう。
訴訟では、時間、労力、費用をかけて、証明しようとしても、証明できないかもしれません。
ところが、事前に契約書を交わしておけば、訴訟では簡単に証明できますし、そもそも訴訟にもならないでしょう。
したがって、3社以上の当事者が関与する契約には、事前に契約書を交わすことは重要なのです。
高島総合法律事務所では、多数の契約書作成事例があります。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、契約書作成に向けたお手伝いをさせてください。
経営者である依頼者が、損をしない納得できる結果を得るために共に邁進いたします。