契約書
2026/07/31 2026/09/04

契約書に印鑑を押す前に気をつけてほしいこと

※この記事は2018年3月15日に執筆したものです。

 

会社経営に関する法的な疑問や質問について、当事務所の代表弁護士 高島秀行がわかりやすくお答えします。

今回は「契約書に印鑑を押す前に気をつけてほしいこと」について解説します。

 

【質問内容】

取引の相手方の紹介する商品を購入すれば、相手方から下請けとしての仕事がもらえるということだったので、紹介された商品を購入しましたが、仕事がもらえません。

商品を返して代金を返してもらうことはできるでしょうか?

 

【回答】

仕事を取るためには、相手方の機嫌を取る必要があり、接待をしたりお歳暮やお中元を贈ったりするというのはよくある営業活動です。

仕事を発注する方が、その強い立場を利用して、下請けに対して、上記のような一般的な営業活動を超えてあれこれ要求してくることも多いです。

そして、質問のような高額な商品を買わせるということもあります。

しかし、仕事の発注については口約束で行われることが多く、商品を購入させ自分の成績にしておいて、その後、仕事は発注しないというトラブルに発展することも多いです。

 

裁判では、商品購入が仕事の発注の条件だったのか、単に、仕事を取るための営業活動なのかということが争われます。

仕事を取るための営業活動だと判断されてしまうと、相手方は仕事を発注しなくてもよいこととなります。

これに対して、商品を購入すれば仕事を発注するという条件だと認められれば、相手方は仕事を発注しなければなりません。

きちんと、商品購入契約書に、仕事を発注する条件だと記載してもらえれば、後で商品購入が仕事発注の条件であることが明確になります。

 

しかし、契約書には、そのようなことは通常記載しないと思います。

そこで、後で証明できるよう、商品購入の契約書に署名捺印をする前に、念書でもファックスでもメールでも構わないので、商品購入が仕事発注の条件であることを文書に書いてもらうことが大切です。

商品購入の契約書に署名捺印してから、仕事発注について何か書いて欲しいと言っても、そんなこと言ってないと白を切られたらおしまいです。

その後になって、弁護士に相談しても、弁護士はどうにもできません。

 

相手が商品を購入させて成績を上げようとしているときに、書いて欲しいと言うのが一番書いてくれる可能性が高いです。

そのときに、書いてくれない場合には、商品を購入しても仕事を発注してくれない可能性が高いと思います。
 

 

 

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