※この記事は2018年3月8日に執筆したものです。
会社経営に関する法的な疑問や質問について、当事務所の代表弁護士 高島秀行がわかりやすくお答えします。
今回は「取引で契約書を交わさない場合のリスク」について解説します。
【質問内容】
弁護士からは、取引をするときには契約書を交わすようにいわれますが、当社の業界では契約書を交わす慣行もないし、小さな会社なので、いちいち契約書を作成し内容を確認している余裕もありません。
契約書を交わさないのは仕方がないと思うのですが・・・
【回答】
どの弁護士も取引をするときには、「文書を交わせ」と言うでしょう。もちろん私も言います。それはなぜでしょうか。
契約書は、お互いがこの内容で約束したという証拠です。
もし、契約書を交わさなければ、何を、いつ、いくらで、いつまでに納入したのかもわからず、いつまでに納入されるのかもわかりません。
また、どういう場合にキャンセルができるのか、キャンセルした場合には、賠償が必要なのか不要なのかなどについても、全くわからないのです。
契約書を交わさなくても、お互いの意見が一致して、双方がそれに従えば問題はありません。
しかし、お互いの言い分が違ってトラブルになってしまうと、あなたは覚えていると言うでしょうが、相手は違うことを言ってくることでしょう。
すると、話し合いではなかなか解決できず、裁判で決着するということになります。
裁判では、お互い自分に都合のよい有利なことしか言いません。
裁判官は神様ではありませんから、あなたの言い分が正しいとしても、必ずしも真実に合致した判決がなされるわけではありません。
判決で認められないということは、世の中で通らないということです。契約書を交わしていないと、あなたの主張が正しくても、世の中で認められない場合があるということがリスクになるのです。
契約書を作成するには、時間がかかるし、弁護士に頼めば費用もかかります。
しかし、契約書を交わさなければ、あなたの主張が正しくても通らない場合が出てくるのです。
それを裁判所で立証するとしても、そのときは弁護士費用も時間も労力もかかるのです。
それは、契約書を弁護士に見てもらうよりも大きなコストとなります。
そしてそのようなコストをかけた結果、あなたの主張が認められないという最悪の事態を招く可能性もあるのです。
ここからは、経営判断の問題です。
あなたが、
①トラブルが起きる可能性は少ないので、トラブルが起きたときには、自分の主張が通らない場合があっても仕方がない、と考えるか、
②普段から、費用労力を払っておいて、できるだけトラブルを避けるための方策を取っておこう、と考えるか
ということなのです。
契約書を交わさないことのリスクを知った上で、契約書を交わさないのであれば、それはやむを得ないことだと思います。
高島総合法律事務所では、多数の契約書作成事例があります。
まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、契約書作成に向けたお手伝いをさせてください。
経営者である依頼者が、損をしない納得できる結果を得るために共に邁進いたします。