企業買収
2026/07/31 2026/09/02

会社分割すると従業員はどうなる?

※この記事は2018年1月25日に執筆したものです。

 

会社経営に関する法的な疑問や質問について、当事務所の代表弁護士 高島秀行がわかりやすくお答えします。

今回は「会社分割」について解説します。

 

【質問内容】

会社の経営者です。当社は、飲食店を経営する一方で、ネットでの事業も営んでいました。

ネットに関する事業を、会社分割でA社に譲渡する予定なのですが、今いる従業員はどうなるのでしょうか。

 

 

【回答】

会社の事業の一部を売却する場合、長い間、営業譲渡という方法が取られてきました。

事業を譲渡する場合、営業譲渡という方法しかなかったからです。

しかし、今では、会社分割という方法が認められるようになりました。

会社分割は、営業譲渡と比べて、許認可をそのまま引き継げる、従業員をそのまま引き継げるなどのメリットがあるので、事業の譲渡には会社分割が使われることが多くなりました。

 

質問にある「従業員の処遇」ですが、譲渡される事業に従事している従業員は、事業を譲り受ける新しい会社に移転されることとなります。

したがって、これらの従業員は、新会社に移籍することを拒否することはできません。

これに対し、他の事業に従事しているのに、譲渡される事業といっしょに新しい会社に移転する場合、あるいは、譲渡される事業に従事しているのに元の会社に残る従業員は、異議を述べて新会社に移籍することを拒否したり、元の会社に残ることを拒否したりすることができます。

 

具体的には、会社は、会社分割をするときには、従業員と会社分割について協議しなければなりません。

 

また、会社は、株主総会に諮る前に、従業員に対し、

 ① 会社分割がいつ行なわれるか、

 ② どういう会社に移転するか、

 ③ 当該従業員が新会社でどのような業務につくか、

 ④ その従業員が異議を主張する権利があるか、

などを通知しなければなりません。

 

従業員と協議をしたり、通知をしたりするのは、面倒だと思われるかもしれません。

しかし、これまでの営業譲渡の方法では、従業員1人1人から、新会社への移籍について承諾を得なければなりませんでした。

従業員が承諾しなければ、従業員を事業といっしょに移籍させることができなかったのです。

それと比べれば、その事業に従事している従業員を、従業員の承諾がなくても移籍させることが可能になったのですから、会社分割のメリットはかなり大きいです。

 

 

高島総合法律事務所では、企業買収の分野において多数の解決事例をもっています。

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