企業法務
2026/07/31 2026/09/17

取締役を解任するには

※この記事は2018年8月23日に執筆したものです。

 

会社経営に関する法的な疑問や質問について、当事務所の代表弁護士 高島秀行がわかりやすくお答えします。

今回は「取締役の解任」について解説します。

 

【質問内容】

友人と株式会社を共同経営しており、友人は株を持っていませんが取締役にしています。友人と営業方針が違ってきたので辞めさせたいと考えています。

私が株式の100%を持っているのですが、自由にクビを切れるのか教えてください。

 

【回答】

自分が100%出資して設立した会社を友人といっしょに経営したり、友人に経営を任せたりすることはよくあることです。

当初は、お互い信頼関係を持っていますから、友人を取締役にしたり、代表取締役にしたりします。

ところが、会社を任せてしばらく経つと、会社の業績が良くなってきたり悪くなって来たりと結果が出始めます。

すると、当初は仲が良く信頼関係を保ってきた友人でも、経営を拡大するか縮小するか、取締役の給料や交際費が多すぎるのではないかなど経営方針を巡って、出資者である株主と取締役間で意見が対立することとなります。

 

この場合、取締役の選任権、解任権を持っているのは株主です(会社法329条、339条)。

以前は、解任するためには、株主総会で3分の2の賛成を得ることが必要でしたが今は過半数の賛成で済みます。

だから、あなたが100%の株式を持って、友人が全く株式を持っていないというのであれば、あなたが言うとおり、株主総会を開いてすぐに友人を取締役から外すこと(解任)ができます。

 

ただし、取締役を解任する際に気を付けなければならないことがあります。

取締役は、通常、定款で2年の任期を定めています。

友人が取締役として、仕入れ業者などから個人的にリベートをもらっていたなど取締役の解任に正当な理由があるときは、任期途中で解任しても何の問題もありません。

しかし、単にあなたと経営についての考え方が違うというだけで、友人を任期途中で取締役から解任するというのであれば、友人が任期途中で解任されたことにより被る損害を賠償する必要があります。

任期途中で解任されたことにより発生する損害は、通常は解任されたときから任期満了時までの報酬と考えられます。

だから、月70万円の報酬を支払っていて任期が1年残っていたとすると、840万円の年収分を賠償して取締役を辞めさせるということとなります。

 

友人を取締役にして経営を任せるときに、株式を3分の1以上持たせると、経営権争いなどが生じたときに簡単に辞めさせることができなくなるし、後の株の取り扱いで揉めることにもなるのでなるべくなら持たせない方が賢明です。

また、任期途中での解任は残期間の報酬を賠償しなければなりませんから、任期を1年と短くしておくのも1つの方法です。

 

 

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