内容証明郵便による債権回収・売掛金回収に効果はあるのか。

今回お届けするのは、前回(「債権回収・売掛金回収にお悩みの経営者様、解決策をお教えいたします。」)に引き続き「債権回収」「売掛金回収」に関する相談です。

 

このブログを読んでくださる依頼者には、売掛金の回収でお悩みになっている経営者の皆様も多いのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。

 

今回は、「内容証明郵便に効果はあるのか」というテーマでお届けさせていただきます。

 

 

ー 今回のご相談内容(前回と同様) ー

 

私はIT企業を経営しています。お客様にWebサイトや社内システムを納品する仕事です。そんな中、あるクライアント様が納品したにも関わらず、代金を支払いません。取引先が、商品の代金を「払う。払う。」と言いながらなかなか支払ってくれません。内容証明郵便で請求をしておこうと思うのですが、どうでしょうか。

 

 

「教えて!高島先生!」

当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。


 

依頼人の皆様から法律相談を受けていると、内容証明郵便について次のことをよく耳にします。

 

①内容証明郵便で請求しておけば、こちらの請求が認められる。

②内容証明郵便に対し、放っておくと相手方の言い分が認められてしまう。

③内容証明郵便で請求しておけば、時効は中断する。

 

内容証明郵便というのは、あくまでも郵便局がその日にその内容の手紙を出したということを証明してくれる制度です。

配達証明をつければ、配達した日も証明してくれます。

内容証明郵便の中身について、郵便局はいちいち確かめているわけではありませんから、郵便局が内容証明郵便の内容が正しいことを証明してくれるわけではありません。

したがって、内容証明郵便で請求しておけば請求が認められるということはないのです。

 

では、内容証明郵便に対し、相手が回答しなければ認めたことになるのでしょうか。

そのようなことを決めた法律はありません。

したがって、代金を請求するなどの内容証明郵便は放っておいても大丈夫です

ただし、内容証明郵便の内容が、請求するではなく、相手方が「こういうことにしました。」という内容の場合、放っておくと黙示の承認といって、相手方のしたことを認めることになる場合もあるので注意する必要があります。

 

次に、時効中断について説明します。

売掛金は、通常5年で時効にかかり消滅してしまいます。仕入代金はもっと短く2年で時効にかかってしまいます。この時効を中断するには、内容証明郵便で請求書を出しておけばよいと考えている人が少なくありません。

しかし、時効は、請求しただけでは中断しません。

請求したら6ヶ月以内に訴訟を起こさなければなりません。

請求後6ヶ月以内に訴訟を起こさなかった場合には、何もしなかったことと同じになり、時効にかかってしまうのです。

 

以上のように、内容証明郵便は、売掛金の回収については、その日に請求していたという証明にしかなりません

しかし、世の中には、やはりあなたと同じように内容証明郵便が来ると、何か法的効果があるので、支払わなければならないと思っている人も多いので、内容証明郵便で売掛金について請求すれば支払ってくれる人もいるでしょうから、内容証明郵便で請求してみる価値はあると思います。

 


高島法律事務所では、売掛金・債権回収の分野において多数の解決事例をもっています。

また、代表の高島秀行は、債権回収会社で取締役を務めています。売掛金が回収できない状態が続くことはとても悩ましいですよね。

まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、解決までのお手伝いをさせてください。経営者である依頼者が、本業にいち早く集中できるよう共に解決に邁進いたします。


 

 

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