事業承継 ―相続で会社がストップ!―

今回お届けするのは、前回に引き続き「事業承継」に関する相談です。

 

このブログを読んでくださる依頼者の中には、引退が近づき、ご子息への事業承継をお考えになっている経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。

 

今回の記事は、事業承継を争う場合、気をつけなければならないことについて紹介します。

 

ー 今回のご相談内容 ー

先代社長が突然亡くなりました。社長は会社の株を100%持っていました。
社長に奥様は既になく、息子さんが2人いるだけです。
その2人の息子さんがどちらも自分が社長になると争っています。
こんな場合はどうなるのでしょうか。

 

「教えて!高島先生!」

当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。


 

このケースは、相続が会社の経営権を巡っての争族になる場合の典型です。

 

資産もあり、利益もある会社では、社長が亡くなったとたん、経営や財産を巡り、相続争いが発生します。

会社の経営権が絡むと、会社の従業員も長男派、次男派に分かれて、会社も2分することになります。

 

質問のケースでは、社長の代わりの取締役を裁判所で選任してもらい、取締役会で代表取締役を選任するということになります

 

しかし、それは一時しのぎで、遺産分割の話し合いがつかなければ、長男次男の相続分はそれぞれ2分の1ずつですから、会社の株式は長男が50%、次男が50%を持つこととなります。

 

すると、取締役選任も、決算の承認も、二人の意見が合わなければ、株主総会で決議することができず、会社の経営が円滑に行われないこととなります。

 

したがって、社長は、業績を上げることだけを考えるのではなく、自分に万が一のことがあった場合のことを考えて、誰に事業を承継するのか考えておかなければなりません

 

事業承継には、取引先や金融機関との折衝、従業員の掌握などの会社を経営する能力を鍛えるだけではだめで、承継させる者に、安定して会社を経営していくのに必要な会社の株式を与える必要があります

 

その方法として、遺言書を作成しておき、会社の株式を事業の承継者である長男か次男に相続させるということが一般的です。

 

しかし、株式を相続した長男あるいは次男多額の相続税を支払うために財産を処分しなければならなかったり、他の相続人から遺留分を請求されたりして、事業承継がうまくいかないケースもあります。

 

事業承継をうまく行かせるために遺言書を書くことは書かないよりはましですが、税金対策と他の相続人への対策も考えて行わないと、事業を承継した者が苦労することにもなりかねません。

 

特に、相続税のことを考えると、生前に、事業を承継する者の経営する会社に株式を譲渡して行く方がよい場合もあります。

事業承継の場合、相続税を猶予や免除する制度、遺留分を廃除する合意制度などもあり、弁護士や税理士に相談し対策しておくことが必要となります

 

せっかく、築き上げた会社です。

うまく事業承継させ、相続を争族にしないためにも、自分の万が一のときのことを考えておきましょう

万が一の備えは、生命保険だけというのでは、よい経営者とは言えないでしょう。

 

 


高島法律事務所では、事業承継の分野において多数の解決事例をもっています。

事業承継は、経営者のみなさんにとって大きな決断です。必ず失敗しないためにも慎重な判断が求められます。

まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、事業承継に向けたお手伝いをさせてください。経営者である依頼者が、損をしない納得できる結果を得るためにも共に邁進いたします。


 

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