役員登記の変更を長期間怠ると

このブログを読んでくださる依頼者の中には、経営者の方もいるのではないでしょうか。経営者の皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。

今回の記事は、「役員登記の変更」について紹介します。

ー 今回のご相談内容 ー

役員登記を更新せずにそのままにしておいたら、過料を支払えという通知が来ました。払わなければならないのでしょうか。

 

「教えて!高島先生!」

当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。


同族会社では、役員が変更することはあまりありません。

きちんと、毎年、株主総会を開催し、役員の任期が来る度に役員の選任決議をしている会社も少ないと思います。

 

しかし、取締役の任期は、基本的に2年です。

したがって、2年毎に、株主総会で、役員の選任の決議をし、登記をしなければなりません。

 

同じ人が役員になるとしても、それは再任(重任)として、やはり株主総会で役員選任決議をして、登記をしなければなりません。

登記は、株主総会で決めてから2週間以内にする必要があります。

 

そして、この登記を怠ると、100万円以下の過料という制裁が科されることとなります(会社法976条)。

 

あなたに通知が来たのは、この過料です。

この過料は、刑罰ではなく、行政罰なので、犯罪を行ったということにはなりません。

 

過料を争う手続もありますが、登記手続をしてなかったという形式的なものなので、なかなか争ったとしても勝ち目はないでしょう。

だから、過料の通知が来た以上払う必要があります。

 

このように、役員登記を長期間しないで放っておくと、過料が科されてしまいます。

前述したとおり、同族会社では、役員が長期間変更しないことも多いです。

 

それにもかかわらず、2年毎に役員登記をしなければならないのは、煩わしいですし、費用もかかります。

 

そこで、会社法では、株式の譲渡に譲渡制限がついている会社については、取締役の任期を10年にすることができると定められました。

 

取締役の任期の変更は、株主総会を開催して定款を変更すればよいので、同族会社では比較的簡単にできます。利用してみてください。

 

ただ、任期を10年にしても、10年後には役員登記をしないと、また過料が科されてしまいますから、ご注意ください。


高島法律事務所では、契約書の分野において多数の解決事例をもっています。

まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、お手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。


 

関連記事

  1. 業務委託契約を結ぶ際の注意点
  2. 内容証明郵便による債権回収・売掛金回収に効果はあるのか。
  3. 会社分割すると従業員はどうなる?
  4. 少額訴訟制度を解説!弁護士に依頼したら赤字になるのでは!?と悩む…
  5. ネット投稿の著作権
  6. 公正証書と合意書の違い
  7. 裁判手続 ―訴状が来た!―
  8. 取締役を解任するには
PAGE TOP