キャラクタービジネス・商品化権における注意点

今回お届けするのは、「キャラクタービジネス」に関する相談です。
 
このブログを読んでくださる依頼者の中には、著作権に関心の高い経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。
 
今回の記事は、キャラクタービジネスに関する注意をご紹介します。

 

ー 今回のご相談内容 ー

キャラクター商品を販売しようと考えています。
どういう点に気をつければよいでしょうか。

 

「教えて!高島先生!」

当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。


ちょっと思いつきで考えたようなキャラクターでも、一度人気が出れば、そのキャラクター自体の人形やぬいぐるみなどだけでなく、文房具やTシャツ、食品その他の生活用品に至るまで、そのキャラクターを付けるだけで、商品が売れていくというのが、キャラクタービジネスの魅力です。
 
漫画やアニメの登場人物であるキャラクターもありますが、単にキャラクタービジネスのために生み出されるキャラクターもあります。
 
このキャラクタービジネスで、最も重要なことは、キャラクターに関する権利関係を確認し、キャラクターに関する権利を正当に取得しておくことです。
 
キャラクターを商品化する権利を「商品化権」と言います。
 
この商品化権を持っているのは、基本的には、キャラクターを考えた著作権者です。漫画では、漫画の作者ということとなります。
 
しかし、同じ漫画でも、ストーリーと絵を書く作家が異なった場合には、特段の合意がない場合には、両者から承諾を得なければ商品化できません。
 
だから、一方の作家から承諾を得たことで安心してはいけないのです。
 
単に、商品化するためにイラストを書いてもらって商品化する場合にも、そのイラストの著作権が、あなたの会社に帰属するのか、イラストを書いた人に帰属するのか、後で問題になるおそれがあります。
 
依頼してイラストを書いてもらった場合の著作権は、イラストを書いた人に帰属するのが原則だからです。
 
キャラクターの著作権の問題は、キャラクターが流行って、価値が出てきてから、問題となることがほとんどです。
 
当初は、商品化しても売れるかどうかわからないので、特段権利主張をしないのです。ところが、売れ出すと、その著作権を持っていることは、利益を得ることになるので、それを巡って争いになるわけです。
 
著作権者の権利は、一切の商品化を差し止めることもできるし、あなたの会社が過去に得た利益を損害賠償として請求することもできる強力なものです。そのキャラクターで利益が出るようになってから、利用する権利がないとされれば、大変な損失です。
 
したがって、キャラクタービジネスを行うに当たっては、そのキャラクターを利用することに承諾を得る際に、権利関係をきちんと調査して、確認しておく必要があります
 
イラストを書いてもらったとき等は、著作権自体を譲渡してもらうなどの合意書を交わしておくのがよいと思います。


高島法律事務所では、著作権に関わる紛争において多数の解決事例をもっています。

まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、あなたと紛争解決・悩み解消のお手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。


 

関連記事

  1. 公正証書の作り方
  2. 競合他社から、自社が「特許侵害している」と言われたら
  3. 売掛金の回収方法(債権保全策)―仮処分―
  4. 共同経営と借金
  5. 売掛金の回収方法:調停による売掛金回収
  6. 特許取得の意味
  7. 自分でできる借金整理法 ―特定調停―
  8. 借金にも時効がある|会社か個人か取引相手で異なる時効
PAGE TOP