M&Aの一形式「会社分割」のメリット

今回お届けするのは、M&Aに関する相談です。

 

このブログを読んでくださる依頼者の中には、事業拡大に向けてM&Aをお考えになっている経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。

 

今回は、「M&Aの一形式:会社分割について」というテーマでお届けさせていただきます。

 

ー 今回のご相談内容ー

私の経営する会社の良い事業部を引き継いでもらい、悪い事業部を整理してしまいたいと考えています。何か良い方法はありませんか?
一言にM&Aといっても多用な方法があると聞き、それぞれの方法についてのメリット・デメリットを現在調べています。

 

「教えて!高島先生!」

当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。


 

今は、会社間の競争が厳しく、どの事業も儲かっているということは少ないようです。

そこで、各会社は、競争力を高め生き残るために強い部分と弱い部分に分けて、自社が経営するには弱いけれど買主にとってはメリットが大きい事業を譲渡するM&Aが多くなっています。

 

M&Aと言うと、一般に、合併や株式を全部買うといった、会社を丸ごと取得する方法が多く取られます。

しかし、これでは、売主は、自社の強い事業も売却してしまうこととなり残りは儲からない事業だけということになってしまいます。

買主に取っても丸ごと会社を買い取るとなると簿外負債があっても全部責任を負うこととなってしまいます。

 

だからと言って、個別の事業用資産の売買や事業譲渡という形を取ると、契約関係の移転や売掛金・買掛金の移転に個別の承諾が必要となるので、かなり面倒です

特に、従業員の関係で、個々の従業員に移転について承諾を得なければならないのが大変です。

 

そこで、比較的簡単に、会社の事業を分割する手段として設けられているのが、「会社分割」という制度です

 

契約関係や売掛金・買掛金の移転については、分割計画で定めておけば、同意がなくても移転することが可能です。

 

ただ、当然のことながら、移転先に支払い見込みがないといけません。

買主が引き継ぎたくない売掛金や買掛金があった場合には、分割計画でこれらを除くことができます。 

従業員との関係でも、分割する事業に所属する従業員は、分割計画で移転を定めると、当然に移転することとなります。

 

このように会社分割は、M&Aにおいて、分割した事業を売る方にとっても買う方にとっても便利な制度です。

M&Aだけでなく、自社だけの事業再編にも利用できます。

 


高島法律事務所では、企業買収の分野において多数の解決事例をもっています。

企業買収は、経営者のみなさんにとって大きな決断です。必ず失敗しないためにも慎重な判断が求められます。

まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、企業買収に向けたお手伝いをさせてください。経営者である依頼者が、損をしない納得できる結果を得るためにも共に邁進いたします。


 

関連記事

  1. M&Aにおける営業譲渡人の責任とは…
  2. 売掛金の回収方法(債権保全策)―仮処分―
  3. 闇金からの借入に返還義務はない
  4. 公正証書と合意書の違い
  5. 業務委託契約を結ぶ際の注意点
  6. 会社に出資をする際の注意点 ―未公開株―
  7. 会社の株を会社に買い取ってもらえるか
  8. 経営に影響を与える名義株
PAGE TOP