闇金からの借入に返還義務はない

今回お届けするのは、「闇金からの借入」に関する相談です。

 

このブログを読んでくださる依頼者の中には、借入の返済に関心の高い経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな皆様にお役にたてるコンテンツになっておりますので、ぜひご一読頂けますと幸いです。

 

今回の記事は、闇金からの借入に関してご紹介します。

 

ー 今回のご相談内容 ー

借金の返済に追われて、週2割の利息で闇金から10万円借りてしまいました。
そこからは、返しても返しても返済の催促が来る日々です。
何とかしていただけないでしょうか?

 

「教えて!高島先生!」

当事務所代表弁護士高島秀行がお答えします。


闇金とは、貸金業の登録を受けていない違法な業者のことです。
 
貸金業は、貸金業法の登録を受けずには、営むことができないからです。
 
それにもかかわらず、貸金業の登録を受けずに高金利でお金を貸し付け、暴力、脅迫的な取立て行為を行なう業者が後を絶たないため、闇金対策のために、出資法や貸金業法が平成15年に相次いで改正されました
 
例えば、無登録の貸金業者は、広告や勧誘をしただけで、100万円以下の罰金となりました(貸金業法11条2項、同49条)。
 
それに伴って、警察や都道府県などの役所も積極的に闇金業者を取り締まってくれるようになりました。これらのおかげで、かなり闇金業者は減少したようです。
 
しかし、闇金が全く無くなったわけでもなく、しかも、前記出資法の改正の際に、年109・5%を超える金利を定めた消費貸借契約は無効とだけ規定したので(出資法42条の2)、金利は無効だとしても元本の返済が必要なのかが問題となっていました。
 
年109.5%(週にすると2.1%)を超える高金利の貸付でも、元本の返済義務があるのであれば、闇金は貸し付けても損をすることがないので、闇金のやり得になってしまうからです。
 
これまで、出資法に違反する金利(年29.2%、週にすると0.56%)を定めた貸付行為は、暴利行為であるから、民法90条に定める公序良俗に違反し、金利も含めて、元本も返還義務がないと考えられてきました。
 
改正された出資法よりも、裁判実務の方が進んでいたのです。
 
ところが、この点について裁判所は、さらに考え方を進めて、「年1200%もの高金利を定めた場合には、金利元本の返還義務はないから、既に支払った金額は全額返還せよ」
という判決を出しました(札幌高裁平成17年2月23日判決)。
 
その結果、闇金は、払ってもらえない金利や元本を諦めるだけでなく、これまで任意に支払いを受けた金利や元本の返済分も全て返還しなければならなくなったのです。
 
あなたのケースでも、週2割(20%)の金利ですから、年換算すると1042%もの高金利で、金利も元本も一切返還義務がありません。
 
かえって、これまで返済した全ての金利の返還を受けることができると考えます。
 


高島法律事務所では、借金に関わる紛争において多数の解決事例をもっています。

まずは、「相談」という形で、第一歩を踏み出し、あなたと紛争解決・悩み解消のお手伝いをさせてください。経営者である依頼者の力になれるよう邁進いたします。


 

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